争族になる理由

「争族」とは?

最近ではニュースや、ついにドラマにまで登場してしまった「争族(そうぞく)」という言葉。

遺産分割をする際に、親子・兄弟など相続人である家族同士が揉めてしまい、遺産分割が進まず、最悪の場合、裁判にまでなってしまうケースが増えていることを受け、相続→争族と言われる時代になってしまいました。

このページでは、そもそもなぜ「争族」になってしまうのか、そしてその事前対策方法はあるのかについて考察しております。当事者間では感情的になってしまう問題ですが、一度客観的視点で相続を理解していただければ幸いです。

そもそも争族が起こってしまう原因は何なのか?

de253ac0d3cabf344344ff3f9e2bfa49_s相続で一番揉めることは、亡くなった方の遺産(お金以外にも土地・建物・株券など)をどのように分配するか、です。

もちろん、民法という法律には、「法定相続分」という、「この人にこの分の遺産を分配しましょうね」という条文がのっていて、それに沿ってご家族同士で仲良く分けてもらうのが理想なのですが、なかなか一筋縄ではいきません。せっかくもらえるものだから、人間だれしも「1円でも多く」と考えるのはごく自然なことです。民法でも、大枠として、「●●の方は半分」「○○の方は1/3」という内容しか書かれていないため、個人レベルの具体的な分割については、やはり協議で話し合いをして取り決めていかなければなりません。

この大枠の規則と個人レベルの感情の絡み合いから、だんだんとこじれていってしまうのが「争族」の原因ではないでしょうか?

たとえば、こんなケース

家系図
「おじいちゃん・おばあちゃん・おとうさん(おじいちゃんの息子さん)・おかあさん・娘さん」がひとつの家に暮らしていました。一方、次男(おとうさんの弟さん)は、実家から出て遠方に家を建て、奥さんとお子さんで暮らしていました。そして、おじいちゃんが亡くなった場合。

上記の前提で、おじいちゃんがお家の所有者だった場合…

民法では、遺産分割の配分は、

「配偶者に1/2を分けなさい・子どもは残りの1/2を子どもの人数分を均等にわけなさい(つまりこのケースの場合遺産全体の1/4ずつ)」と書いてあります。

でも、家はケーキのように、切り分けることができません。

第一、次男が1/4分の家のスペースをもらっても、そもそももう次男は家を建てているので、家は不要です。

こんなとき、次男は「兄ちゃんが住んでるんだし、特に取り分はなくて良いか」と思うのですが、横で奥さんが「あなたには法定相続分があるんだから、しっかりもらいなさいよ!」と言います・・・。

ドラマじゃないですが・・・。なんとなく嵐の予感・・・ですよね・・・。

ちなみに次男の奥さんは決して悪者ではないことはここで注釈をつけさせていただきますね。言っていることは法的に正しいです。もちろん次男にも法定相続分のもらう権利があります。

ここでお伝えしたいのは、とんでもなく大きい莫大な遺産が無くても、「争族」というのは、どんな人にも突然起こりうることだということです。

このような簡単に割り切れない遺産分割協議の方が実務的には多く、実際、兄弟間の仲が悪くなるというケースは、少なくありません。

争いを起こすために、遺した財産ではないはず!

f05061a65c23024173ad5b73742554a5_s私どもが、「争族」を無くしたい真の理由は、「遺産とは、争いを起こすために亡くなられた方が遺したものではなく、受け継いでもらいたい志や魂とともに、次世代の人に、少しでも豊かな人生を送ってほしいという、想いのこもったものではないのか」

ということです。

この仮想のご家族であれば、亡くなられたおじいちゃんやまだ元気なおばあちゃんは、兄弟夫婦が揉める為に家を建てたり、仕事や家事・育児をがんばっていたわけではないはずです。

自分の子どもやその奥さん、そして孫たちに、楽しく豊かなで幸せな生活をしてほしいという想いが、ひとつの形となって「遺産」となっていると考えます。

ひとつの対策案としての「遺言」

7c469e34339c25787cc8ec42336aac62_s今回のケースの様な場合、事前に「おじいちゃん」や「おばあちゃん」もしくは長男であるおとうさんとその奥さんが、相談に来ていただいていれば、まず、「遺言書の作成」をすすめていたと思います。遺言がある場合、誰にどれだけ相続されるかについては、原則として、被相続人(今回の場合:おじいちゃん)の意思を尊重して遺言の内容を優先的に適用します。 これを遺言相続ともいい、法定相続に優先します。

もちろんすべての「争族」が遺言書や法律によって解決するわけではありません。前述したように、大枠の法律規定と、個人レベルの感情が絡み合うために起こるのが法律問題です。ただ、私どもも業務も日々行っていると、「遺言書をかいておけばこんなことにはならなかったかもしれない」と思うようなこともありました。

3984918d75bbbfa4762d9f7b0044f2ec_s昨今、ダジャレのような使い方をされている「争族」という言葉ですが、当人同士にとっては精神的にとても疲弊し辛い毎日になることもすくなくありません。

法律問題は病気と似ています。手術するような大事になってからでは、もう手の打ちようがないこともあります。法律問題も同じで、事が起きてからではもう遅いことも多いです。法律問題は病気と同じで予防が大事です。今できること、今だからできることをお伝えして少しでも争いを無くしていきたい。そんな思いで業務に取り組んでいます。もし、少しでもわからないことがあれば、相談だけでもいいのでお電話ください。その電話一本でしなくていい争いを無くせるなら、これほどうれしいことはありません。